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  • 2021.10.13 Wednesday
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とべとべおねいさん  原編  前編

オッス!
かなぁり前にやりました、クレしん映画のレビュー大会、第2回目でございます。
第1回目 本郷編はコチラ→ http://sumou-zanmai.jugem.jp/?eid=185

今回は、みんな大好き!原恵一の作品です!
ただ正直ね、僕はあまり好きじゃない監督さんなのでね。レビューもかなーり辛口になってると思いますが、広い心で読んでね☆
どうせ他で誉められまくってるので、僕一人が毒を吐いてもいいじゃないか。




「暗黒タマタマ大追跡」  監督:原恵一



http://www.youtube.com/watch?v=4WZ9yUG5AVU


【ストーリー】
ある日、シロを散歩していると、気絶しているオカマに遭遇するしんのすけ。ふとしたはずみで、オカマの横に落ちていた光る玉を家に持ち帰ると、先程のオカマが三人組で野原家におしかけ、一家をニューハーフバーに連れ込む。
オカマ達は珠由良(たまゆら)族と言い、魔神ジャークの封印をかけて珠黄泉(たまよみ)族と争っているという。その封印の要となるのが、しんのすけが拾った光る“タマ”であった。だが、そのタマをなんと、ひまわりが飲みこんでしまい、ひまわりは珠黄泉族に付け狙われる事になってしまったのだった・・・
野原一家はひまわりを守りきれるのだろうか?そして、魔神ジャークの復活を阻止できるのだろうか!?



【レビュー】

劇場版5作目。原恵一の監督デビュー作。と、同時にしんのすけの妹、ひまわりのデビュー作でもある。
と言っても、テレビシリーズにおいては原はかなり演出をやっていたし、劇場版においても本郷の右腕として脚本の助手や日常パートの演出を任されていたので、純粋なデビュー作でもないんだけど。

本郷からクレしん流作劇術の薫陶を受けたであろう原は、過去4作品で積み上げられた、笑いと活劇を基にしたエンタメ路線を踏襲しつつも、同時に独自の路線も形にした。

原恵一と本郷の作家性で一番の違いはリアリズム志向。今までファンタジー寄りで架空の場所が多かった舞台設定は実在する場所になり、ロケーションにおけるリアリズムも増した。加えてキャラクターもリアリティ志向が高まり、今まで頻繁に見られた妖術魔術超科学の類は極力抑えられ、敵キャラの設定も普通の人間の範疇に収まっている。

そのリアリズム志向が後の作品やクレしん映画の歴史にどう作用していくのかは、各作品のレビューに任せるとして・・・
本作においては、原恵一独自の色は、まだ出きっていない。あくまで本郷からバトンタッチされてからの最初の作品って感じで、まだ原自身もクレしんを乗りこなしてない感じ。

そもそも、設定からして2作目「ブリブリ王国の秘宝」の二番煎じであるのは否めないが、「ブリブリ王国〜」に比べてキャラが弱く、インパクトに欠けるきらいがある。特に敵キャラは全く印象に残っていなくて、かなり怪しい記憶でコレを書いております。ラスボスが「ブリブリ王国」のミスターハブと全く一緒なんだよ!

しかし、一方で脚本の完成度は存外に高く、ひまわりとしんのすけの兄妹関係が話の軸になっている。しんのすけが一家の中の新参者であるひまわりを、兄として受け入れていくビルンドゥングスロマンの王道であるが、説教臭さもなくエンタメとして昇華しきっているのは見事。
この頃はまだひまわりが登場したばかりだから、こうゆう話もできたんだなあ〜。

そんな本作、個々の要素はいいとこいっぱいあるんだけど、全体を通して見てどうだったかと言うと、何か・・・ポヤンとした印象。
バランスが非常に良いんだが、その中庸主義のせいで損もしていて、どこか突き抜け感がない。
ギャグも原作品の中では頑張っている方だし、アクションも硬軟揃っていて、かなりヨイ感じなんだけど・・・何か、インパクトに欠ける。何が悪いって訳ではないのだけど・・・地味なんだよな。

以上を踏まえて、総評を簡単に言うと、今作は非常にバランスに優れた優等生的な1本だと言える。むしろ他の作品が、グイグイと個性を主張し過ぎているので、逆に本作は入門編に最適かも知れない。
『クレしん映画ってだいたいこんな感じ』っていうペーパーテストにおいては満点に近い出来であると言える。
本作を観てから、色んなクレしん映画を見ていくのがクレしんビギナーには良いのかもしれない。

余談だが、中盤に出て来る七人の侍のパロディーは盛大にスベッてる。これはやらない方が良かったな。
 



「電撃!ブタのヒヅメ大作戦」   監督:原恵一



http://www.youtube.com/watch?v=dR8ELuQXwP8


【ストーリー】

東京湾の屋形船で宴会を催すふたば幼稚園。そこに謎の美女が乱入。その直後、屋形船は謎の飛行船にピックアップされ、謎の美女としんのすけ含むかすかべ防衛隊の5人をさらってしまう。
ニュースでその事を知ったひろしとみさえは意気消沈するが、そこに「筋肉」と名乗る巨漢が現れ、この事件は秘密結社ブタのヒヅメの仕業であると告げ、事件は国連直属の組織、SMLが解決するとし、一家を突き放す。しかし、ひろしとみさえは「筋肉」の持っていた資料から敵の本拠地は香港と断定し、筋肉を追いかける。
一方、謎の美女「お色気」と共にブタのヒヅメに捕われたしんのすけ達。そこであるディスクを渡せと迫られる「お色気」であったが・・・?


【レビュー】

原の標榜するリアリズム路線が一つの完成形を見た作品!!
ビジュアルからも丸分かりだが、ハリウッド系の肉弾映画を目指した作品で、玄田哲章を始めとした豪華声優陣のガチ演技も堪能出来る、ブリッブリのアクション大作。

ここで原の実写趣味は遺憾なく発揮され、銃火器の描写、獲物・素手の本格的アクション描写、メカが爆発し破壊される描写・・・全てにおいて本家顔負けのクオリティで魅せてくれる。
しかもアクションのバラエティも、スニーキング(潜入)もの、肉弾しばきあい、銃撃戦、戦闘機の空中戦、園児だけのサバイバルなどなど、実に豊富!少なくともアクションで飽きる事はない。
特に注意して見たいのは、個々のアクションが単発のアイデアで終わっていなくて、一つのアクションが次のアクションへの伏線にもなっている連鎖構造になっている事。これは本家のアクション映画でも中々に出来ていない芸当だ。
もはやこの映画自体がアクション映画のお手本の様だ!!

中でもギャグ&アクションの配合具合が絶妙で、シリーズ通して最高クラスの出来!!
あまりギャグが得意でない原ではあるが、本作は別格。特に、前半の「筋肉」VSひろし・みさえ夫妻のトイレ攻防戦バトルは必見!!劇画調で枚数もかなり使った力作だが、やってる事の馬鹿馬鹿しさと来たら・・・!大爆笑必至である。
前作の茫洋な出来から反省したのか、インパクト十分!魅せ場たっぷりの名シーンに仕上がっている

シナリオも原作品だけあって完成度が高い。世界の危機というマクロの視点から、一家・夫婦の危機というミクロの視点まで、特に混乱もなくまとめているのは見事。ギャグアニメとしては異例の、バッキバッキに硬質な世界観を、しんのすけがいい具合に掻きまわすお馴染みのやりとりも安定感すら漂っている。
アクション映画としての世界観の構築があまりにも完璧なので、野原一家及びしんのすけが主役である意味が希薄になりがちだが、最後にはしんのすけが主役であるという意味がバッチリ明示されるとこには膝を打った。
クレしん世界のトリックスター、ぶりぶりざえもんは、劇場版の様なビッグな舞台ほど輝くキャラだが、本作ではこれ以上ないくらいに上手くハメこんでいる。とゆうかね、ぶりぶりざえもん好きなんすよ、僕。だから、今回のぶりぶりざえもんの活躍・・・胸が躍ったね。

もはや100点満点に近い作品ではあるのだが、しかし個人的に気に食わないところが一つ。
ラストの唐突なお涙頂戴描写。これはかなり好き嫌いが分かれる所だろう。僕もお涙頂戴は嫌いじゃないんだが、『コレ、クレしん映画なんだけど・・・』という気持ちの乖離はぬぐえない。
ギャグ&アクションのファンサービスに徹し切った本作だが、最後の最後で原の作家としてのもう一つの側面、「シリアス・感動志向」が顔を出してきたのが興味深い。いずれにせよ、全体的には楽しかったけど何なんだ、あのラストは・・・とゆう、不穏な気持ちで観賞を終える事になってしまったのだった。。。

ここから、後々までずっと続くクレしん映画最大の議題、「しんのすけヒロイック問題」が立ちあがってくるのだが、それはまた後の作品のレビューにてお目にかかろう。






「爆発!温泉わくわく大決戦」  監督:原恵一



http://www.youtube.com/watch?v=IMlLEA5Wr3I



【ストーリー】

ある日、散歩をしていたしんのすけは、行き倒れた温泉の精「丹波」と名乗るおじさんを助け、自宅の風呂に入れて介抱した。しかし、そのおじさんはいつの間にか姿を消した。
翌日、温泉Gメンと名乗る組織に拉致された野原一家は、風呂嫌いテロ組織「YUZAME」との対決を要請される。
彼らの地球温暖化ならぬ、地球温泉化計画を食い止めるには、野原家の地下に眠る金の玉の湯のパワーが必要なのだ!
温泉Gメンと共にYUZAMEの基地に偵察に行く野原一家だが、逆に敵に捕まり、金の玉の湯の情報を漏らしてしまう。
とうとう本格的に動き出したYUZAMEは、秘密兵器を機動させるのであった!



【レビュー】

温泉Gメンという特異な設定は面白かったが、それをあまり活かしきれなかった感のある作品。
好き嫌いはともかく、映画として完成度が高い作品をものにする原恵一ではあるが、今作に限っては手落ちが多い印象。

今作では家族の団結がテーマとなっており、様々な紆余曲折(主にひろしとみさえの夫婦喧嘩)を経て、一家が一つになっていく過程を描いている。中盤で起こる家庭内不和からの→クライマックスでの一家団結は作品を通して丁寧に描かれていて、クレしん映画=家族ものという使命をこれ以上ないくらいに全うしている。
また、今作辺りから、悪役の内面をかなり詳細に描くようになったのも見逃せない。悪役とは本来、常に正義の写し鏡としてあるべきで、単純に悪役にも一分の理がある描き方をする事で、ただの子供向けアニメでは収まらないストーリー・テーマ的な深みをも、本作は獲得している。


しかし、設定を凝り過ぎたのか、今作はストーリーテリングに無理がある所が少々見受けられる。
そもそも、野原一家にテロ組織との戦いを要請する意味が良く分からんし、最終目的地が野原家の地下だと序盤で分かっちゃってる時点で、なんか興ざめ。(それは終盤まで伏せておいた方がお話的に盛り上がったのではないか?)どこか、ストーリーが上っ滑りしているのだ。

終盤の怪獣映画ライクな巨大ロボの立ち回りは非常に楽しかったが、ラストの巨大ロボの倒し方がショボくてガッカリ・・・巨大ロボと来たら、巨大ロボ同士のバトルだろうがよおおおおおおぉぉぉぉぉ〜〜〜〜!!


最後に、今作の最大の手落ち。それは丹波哲郎使いである!!
なんなんだ、この中途半端な使い方はああああああああ〜〜〜!!!!全体的に丹波哲郎がいる意味がないし!最後のオチもご都合主義の最たるものだし!!あまりにも覇気がないから、最初は「この丹波の声優さんは丹波哲郎のモノマネ下手くそだなあ〜www」と思いながら見てしまったよ。。。

現代日本が生んだトップクラスの怪優をこんなゆる〜〜〜〜い使い方をするなんて、、、カルト映画ファンとしては許・せ・な・いッッ!!!!!!

 
今作は原のリアリズム路線と、アニメ特有のファンタジックな設定が消化不良を起こしてしまった不慮の作品と言える。元来、ギャグやファンタジーが得意ではない原は、クレしんとゆう舞台では、脚本の整合性と実写顔負けのアクション・キャラの挙動のクオリティーで戦ってきた。

しかし、その生真面目な作家スタイルによって、自らクレしん映画のハードルも上げてしまったのも事実。本来は、ギャグアニメなんだから・・・子供向けアニメなんだから・・・とゆう理由で笑って見過ごされてきた設定の無理さは、原作品とっては死に至る自家中毒となりかねない。
カタルシスを取るか、整合性を取るか・・・作家にとっては常に悩ましい選択であるが、魔術師・原はその配合に失敗してしまったのかもしれない・・・

この作品で反省をしたのか、以後の原作品では無理に風呂敷を拡げたファンタスティックな設定は息を潜める事になる・・・何かと罪深い作品。

まあ、何も考えずに見ればそれなりに楽しい作品なんですけどね!!



あ・・・ちなみに、おまけで付いてきてる「クレしんパラダイス メイド・イン・埼玉」はけっこー面白かったです。オマケとして、実験に徹していて。
これを担当したのは、後にクレしん映画の監督も務めた水島努。元々、「美味しんぼ」でハチャメチャな演出を行って社内で干されたり、彼が手掛ける映画予告編がいつも本編とはかけ離れた内容で、ファンからは「ウソ予告」と呼ばれたり、かなりアグレッシブな作風の持ち主。
「メイド・イン・埼玉」は、彼のギャグ作家としての才能が遺憾なく発揮されているので、好きものの皆様は是非チェックされたし。



やはり、原作品・・・!色々書いていくと長くなりますな。2回に分けます。次回は、みんな大好き!「オトナ帝国」と「アッパレ!戦国」をレビューします。


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コメント
誰も見てない所でこんな文章書いてて恥ずかしくないの?
  • KMR親衛隊
  • 2014/02/03 11:18 PM
コメント、ありがとうございます。
誰も見てないどころか、貴方がみてくれたから、別にイイッす。
ところで、具体的に、どこが恥ずかしいなあ、と思ったんですか?
KMRってなんですか?
  • たたみ
  • 2014/02/11 6:19 AM
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