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  • 2014.11.04 Tuesday
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とべとべおねいさん  本郷編

去年の10月頃からちょこちょこ、クレヨンしんちゃんの劇場版を見ていた。

きっかけはなんだったか忘れたけど、クレしん映画は大人も楽しめて映画通も唸らせるクオリティーを誇っているという、もはや常識となっている言説に昔からちょっと疑問がありまして。
まあ、映画通とまでは言わなくても、今までそれなりに映画を見て来た自分が改めてクレしん映画を見たらどんな感想を抱くかな?と思い、全作品を見てみようと思い立ちました。

「何を今さら・・・」
とか、言わないで!!!!

現在、歴代クレしん映画の3/4ほど鑑賞済なのです。


映画としてどうなのか?っていう部分と共に、原作マンガや常時テレビでやってるクレしんと、どう距離を取っているかにも注目していきたいと思います。
あ、ちなみに最近のTV版の方は全く見てないので、情報が古い部分がすごいあるかも。そこはご容赦ください & 気になるとこあったらそっと教えてね。

後、クレしん映画は非常に作家性の強い監督がディレクションしてる事が多く、クレしん映画と一言で言っても時期によってかなりテイストが違う。その監督の違いにも目を向けていくと、結構面白いんじゃないかと、思います。
ので、本レビューのエントリーも監督ごとに区分していきます。

では
まずは初期のクレしんの監督、本郷みつるから。






「アクション仮面 対 ハイグレ魔王」  監督:本郷みつる




http://youtu.be/0Vfhj1IDNWY


【ストーリー】
夏休みにふと特撮ヒーロー、アクション仮面のアトラクションに立ち寄った野原一家。奇妙な鏡合わせのアトラクションに乗り、そこで野原一家そっくりの一団とすれ違う。
アトラクションから帰ると、アクション仮面が実在する別次元の地球に呼び込まれていた事が発覚。その次元で地球侵略を企てるハイグレ魔王とアクション仮面の抗争に巻き込まれる野原一家。しんのすけは、アクション仮面と共に地球の平和を守れるのか!?

【レビュー】
まあ、当然っちゃあ当然だけど、本作が一番原作のクレしんらしいテイストに仕上がっている。しんのすけのおバカ言動やみさえのおしおきなど、原作でお馴染みの描写が満載。現在のTVアニメでも見れなくなったやり取りも多々あるので、懐かしい気分に浸れます。

前半では日常パート、後半ではそこから飛躍した非日常冒険パートに、本作は二分されている。前半部では、しんのすけがいつもの「おバカな日常」を謳歌しつつも、そこに忍び寄る非日常の影が効果的に演出されており、丁寧な作り。好感を持った。
前半はそんな感じでゆったりじっくりスローペースで進むが、ひょんなとこから野原一家が、ハイグレ魔王の支配する別次元に迷い込む後半部からは、一気に物語がヒートアップ。アクションとギャグとが交互にスピーディーに繰り広げられ、スペクタクル要素が増していく。
こういった日常⇒非日常への飛躍という構成は以後に続くクレしん映画の雛型にもなっている。他のクレしん映画と比較すると、前半部の日常〜非日常への飛躍を、かなり丁寧にやってくれているので、いつもの(TV版の)クレしんに、映画的な活劇要素が潜り込んだ、という趣きである。そこでは、しんのすけはヒーローと悪の首領の抗争に巻き込まれた一人のちびっ子に過ぎず、しんのすけの異物感がそのまま映画の中ではトリックスターとなる、という構造を持っている。
そういった映画ならではの活劇を盛り込みつつ、原作のテイストをあくまでも崩さないバランス感覚は、何気にハイレベルな芸当だと思う。例えば映画の中でのジャイアンが、血も涙もない暴君から漢気に溢れたナイスガイに変貌するといった類の矛盾は、本作には一切ない。キャラがぶれていないってのは、こうゆう原作ものの映画ではすごい重要。
これは後のクレしん映画で出てくる、【しんのすけヒロイック問題】(後々のレビューで詳述します)にも関わってくるので、ちょっと頭の隅に置いてもらいたい。

んで、映画単体としてはどうかと言うと、ちょっと物足りない感じ。。。まあ夏休みこども向け映画としては順当な出来なんだけど、他のクレしん映画ではより映画作品を意識しているので、濃密さには欠ける。
クレしん映画では毎回毎回、作品のテーマを象徴させる悪役ではあるが、今作のハイグレ魔王は、ただの『悪役』というテンプレキャラでしかないので、そこまで深みはない。

劇場版クレしんというブランドを意識しないで見れば、まあまあ面白い一本。




「ブリブリ王国の秘宝」    監督:本郷みつる




http://youtu.be/zzzA1bo48wU


【ストーリー】
くじ引きでブリブリ王国への旅行券を当てた野原一家。しかし、それは謎の組織、ホワイトスネーク団の罠だった。搭乗した飛行機で襲われ、辛くも危機を脱した野原一家だったが、何故か追手に追われる危険な旅に。その最中、しんのすけがさらわれてしまう。さらわれた先のホワイトスネーク団で、しんのすけは自分と瓜二つの少年、ブリブリ王国の王子スンノケシと出会う。そんな二人を抱え、王国の遺跡に入るホワイトスネーク団。後を追う野原一家とブリブリ王国親衛隊。果たして、王国の遺跡には何が待つのだろうか?


【レビュー】
前作「ハイグレ魔王」が、クレしん映画の雛型を作ったのだとしたら、本作はフォーマットもしくはマニュアルを形作ったと言える。
暗躍する悪の組織、象徴的な敵のボス、それに対抗する勢力(ヒロインになる美女がいる)、野原一家がその抗争に巻き込まれる、ジャンル映画からの積極的な引用、芸能人・著名人のカメオ出演・・・などなど、「ハイグレ魔王」のテイストをさらに発展させたこれらの諸要素は、後のクレしん映画の基本フォーマットとなった。クレしん映画全ての原型がこの映画にはある。

本作は見てもらえると分かるが、インディ―ジョーンズ等の冒険活劇ものを意識しており、前作に比べてアクションの見所が増え、活劇映画として見ごたえのあるものになっている。
前作でじっくり描かれていた日常パートを、今回は10分程度に収め、野原一家は早々に事件に巻き込まれる。それ以降は、アクション又アクションの活劇の連続で楽しませてくれる。
しかも、前作のファンタジックな特撮系のアクションよりは、格闘や銃撃戦をメインとした実写アクションを基にしており、子供向けアニメにしてはやたら力(リキ!!)の入った格闘描写が見所。ここの部分も、後のクレシン映画へ多大な影響を及ぼしている。
また、クレしん世界の単純なデザインを逆手にとって、パースをいじったり、もにょもにょとキャラをメタモルフォーゼをしたりと、アニメならではの快楽が横溢し、それがアクセントにもなっている。
とにもかくにも、動きの楽しさで魅せてくれる作品だ。

んで、そういった活劇の合間には、クレしんお約束のギャグ描写で埋められており、とにかくテンポが良い。気持ちイイ。
アクション映画の普遍的な問題点として、アクションの合間の退屈な時間をどうやって埋めるか?というものがあるが、本作はクレしんのギャグ要素を上手くハメ込んでいる。
中でも、中盤からクライマックスにかけての遺跡探検のやり取りは、ギャグとアクションが高度に融和しており、爆笑した!!クレしん映画の一つの理想形を見た思い。

全体的に完成度の高い本作だが、クレしん映画ファンの間では初期作品という事もあってか、印象が薄い模様。娯楽作としては満点に近いが、テーマ性を前面に押し出した中期以降のクレシン映画作品と比して、やや薄味な感もするのは無理はないかもしれない。





「雲黒斎の野望」   監督:本郷みつる



http://youtu.be/V9wD3EBii3c


【ストーリー】
30世紀のタイムパトロール隊、リング・ストロームは日本の戦国時代で時間犯罪が行われているのを発見するが、時間犯罪者の強襲に遭い、現代の春日部に漂着する。
たまたま、野原一家のシロに乗り移ったリングは、なりゆきで野原一家に助けを求める。
軽〜いノリで、戦国時代にタイムスリップして事件解決にあたる野原一家だが、なんと、時間犯罪者を捕えないと元の時代に帰れない事が判明!
さらには、謎の集団に囲まれて絶体絶命のピンチの野原一家の前に、少年剣士吹雪丸が現れ、颯爽と敵を倒していく。どうやら彼の敵である雲黒斎こそが、時間犯罪者の様だが・・・
野原一家は無事に元の時代に帰れるのか!?


【レビュー】
個人的にはクレしん映画の中でオールタイムベストに掲げている作品!
SF要素と時代劇要素のスムージーなブレンド具合が、とにかく凄い!ここまで両者が違和感なく溶け込んでいる作品を僕は他に知らない。それでいて、ちゃんとクレヨンしんちゃんのテイストも忘れない様に、ギャグにも目配せしてるという・・・化け物か!!
クレしん映画がいよいよ本格的に映画界へ牙を剥き出した伝説の作品、と言っても過言ではないだろう。

現代の人間がタイムスリップをして戦国時代劇に紛れ込む、という設定時代は超ありがちだけど、実はとても難しいジャンルだと思う。
時代劇とSFを如何に混ぜ合わせるかが問題で、至難の業なのだ。
SF寄りにするとリアリティが無くなるし、時代劇寄りにすると軽さがなくエンタメとしての勢いがなくなる。軽さと重さの天秤の配分が難しい。
さらには、そのバランスを整える為には色んな手続きを踏まねばならないので、冗長になってしまう可能性があるのだ。
また、要素を詰め込みすぎる事によって、作品の軸がブレやすいという弱点もある。

本作では、本格時代劇の要素を吹雪丸に、SFを含めたファンタジックな要素をしんのすけに振り分ける事によって、その難問をクリアしている。吹雪丸で作品世界の地固めをして、それをしんのすけが鮮やかに壊していく、という構造だ。
一撃必殺の殺陣、剣戟での刃こぼれ、攻城戦での馬駆けなどの、黒澤映画も斯くやと言わんばかりのダイナミズムとリアリズム溢れる時代劇描写の中に、しんのすけのなんでもあり感が溶け込んでいて、作品の硬直を防いでいる。
そこで現出するのは、一級のエンタメ!!間違いなく仕上がってる!!!!

そ・れ・ば・か・り・か!!!!!
本作の最も優れている点はデザインワークだ。SFと時代劇という、ともすれば説明過多になりがちな2大ジャンルを、全てデザインの説得力で納得させているのは、見事と言う他ない。キャラやメカが特に説明もなく一目見ただけでどんなものか分かるってのはすごい。
かつ、デザインが類型的なものに堕していないのもポイント。全体的に外しの効いたデザインで、普通の感覚ではありえない場所にありえないものが付いてたり(かえるのしんちゃんとか)、丸みを帯びてカワユイのが特徴。
特に僕はタイムパトロール機の立って操作するコクピットにシビレマシタ。フツーのSF映画でも立って操縦するコクピットというデザインはかなり珍しい。機能美と目新しさを兼ね備えていて、目を引いた。
また、その特異なSF的意匠がクライマックスの怒涛の展開へのフックとなっているのも見逃せない。デザインの奇抜さが、やがて設定の奇抜さを拾い上げている構造になっているのだ。。。
は、ハラショーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
これら一連のデザインワークスは、後に大傑作アニメ映画「マインドゲーム」で華々しくデビューする湯浅政明の仕事。目眩がするほどのセンスの良さ・・・!!

ただ、SFとして突き抜け過ぎてるが故に、子供向け一般映画としては高踏すぎるのが唯一の弱点か・・・時間SFとしては素晴らしい奇想の数々なんだけど、ドラえもんレベルまでに噛み砕ききれてはいない所が惜しかったかも。

ま、それはそれとして、個人的には文句なしの大傑作!!!!!!!
激しくオススメです!!!!!!!!





「ヘンダーランドの大冒険」   監督:本郷みつる




http://youtu.be/cOGBbBfaSnw


【ストーリー】
群馬県郊外に出来たテーマパーク、ヘンダーランドに遠足に来たふたば幼稚園。
ひまわり組からはぐれたしんのすけは、さびれたサーカステントに迷いこむ。そこでねじ巻き人形トッペマ・マペットと出会う。実はヘンダーランドは、地球侵略を目論む双子のオカマ魔女・マカオとジョマの根城で、トッペマは彼らに立ち向かっていた。
しかし、マカオとジョマの部下にトッペマは封印され、しんのすけはそのまま家に逃げ帰る。
数日後、しんのすけの日常にゆっくりと忍び寄る影が・・・
襲いかかる脅威に、しんのすけはトッペマから託された魔法のトランプで立ち向かう。「スゲーナ・スゴイデス!」


【レビュー】
本郷みつるクレしん映画の最高傑作と評される作品であり、クレしん映画のベストに挙げる声もある。自分も概ね賛成だ。

何故か?
この作品ほど、嵐を呼ぶ園児、野原しんのすけの本質を描き切った作品はないからだ。

前作・前々作のリアリズム路線とは打って変わって、本作は遊園地やサーカスや魔法など、ファンシーな題材が目立ち、全体的な雰囲気はファンタジーに大きく振りきっている。この要素はヘタすると、普段の日常ギャグ路線から大きく浮いてしまうのではないだろうか?
しかし、本作を見るとそれがただの杞憂に過ぎない事が良く分かる。

日常から遊離した場所で起こる、不思議な体験。
そこから一度は日常に回帰するが、非日常の影が徐々に忍び寄り、少年の生活を侵食する。
とうとう、日常が非日常に侵食され、少年は日常を取り戻す為に、非日常の世界へ再び足を運ぶ。

本作は、この様なリアル⇔ファンタジーの往還を、実にスムーズかつ丁寧に行っているので、一見クレしんと食い合わせの悪そうなファンタジー要素は自然に溶け込んでいく。
特に、中盤で見せる、敵の幹部スノーマン・パーがしんのすけの日常を徐々に侵食していく不気味さは、本作に程よいスパイスを振りかけている。

加えて、アクション・ギャグのテンポも今作は非常に濃密で、特に、ギャグのキレはクレしん映画の中でもかなりのハイレベル!しんのすけ&ヒーロー三人衆とスノーマン・パーの掛け合い、ギャグに徹したラスボスのマカオとジョマとの対決は、とにかくテンポが良く見てて気持ちいい。
とかくアニメのギャグとゆうものは、ハイテンションでごまかされがちなものも多いが、今作においては緩急を上手く生かしていて、ツボにハマる。間違いなく一級品のギャグ描写である。
当然、そのテンポの良さはアクションにおいても遺憾なく発揮されている。特にクライマックスでのラスボスと野原一家の追いかけっこは、クレしん映画の定番ながらも、スピード感とデフォルメの妙が効いていて手に汗握る攻防戦となっていて、クレしん映画屈指の名シーンに仕上がっている。探せば動画サイトに転がってると思うので、この件りだけは是非鑑賞してほしい!

また、本作の美点はアクションやギャグなどの派手な要素だけではない。ヘンダーランドの非日常を演出する舞台美術は、メルヘン主体のアニメかと見紛う程の出来栄えである。マカオとジョマの居城を中心としたヘンダーランドの造形はただただ、ビューチホー。特に陰影が効いていて、意図的にパースを狂わせてるのがベリーグッド。昨今のアニメ作品ではこういったフワッとした影のある画って見れなくなったなあ〜

今作はこの様に、ホラーサスペンス・ギャグ・アクション・メルヘンが、非常にバランスよく配合されており、そのクオリティーは、クレしんというギャグアニメの範疇を大きく超えて、傑作ジュブナイルとでも言うべき香気を放っている。この瞬間、クレヨンしんちゃんは、親御さんが眉をひそめるお下品なギャグアニメから、家族で鑑賞出来るクソ面白い映画にステップUP↑を果たしたと言える。


さてさて、前置きが超長くなってしまった・・・
実は上に挙げた数々の褒め言葉は他のクレしん映画でも、ある程度達成出来ている事だ。
本作が他の作品が追いつけない程の仏恥義理の傑作に仕上がった要因は、前述した通り、野原しんのすけとゆうキャラクターの本質を描ききっているからに他ならない。

そのシークエンスは何気ない2,3分にも満たない箇所だ。
しんのすけはマカオとジョマ一味にさらわれた家族を助ける為に、単身群馬のヘンダーランドまで乗り込む。そこでしんのすけは電車などの交通機関などを乗り継ぎ、最後はヒッチハイクでヘンダーランドにたどり着く訳だが、その道中でのしんのすけの姿は、視聴者を笑わせ登場人物を戦慄させる【嵐を呼ぶ園児】ではない。
慣れない券売機で切符を買ったり、一人で乗る電車で正座をしていたり、ヒッチハイクしたおっさんにはあろう事か敬語を使い『ありがとうございます』の挨拶までするのだ!!そう、そこではしんのすけは、普通の等身大の5歳児でしかないのだ・・・!

この演出にはハッとさせられた。
普段、我々が見ている破天荒なしんのすけの姿は、日常を謳歌しのびのびと自己を解放した姿でしかなかったのだ!そして、それはしんのすけ流に家族や周りの友人に子どもらしく甘えている姿でしかないのだ。日常を乱され、戦いに赴くその姿は普段ののびのびとした姿から、急に大人びている。しかし、それでいて、そこには等身大の子どもの冒険が息づいている。
子どもの頃、知らない街に出かけた時のドキドキ感。一人で電車に乗った時の緊張と、知らない大人に対しての人見知りと背伸びをする感じ。たった、3分にも満たないシークエンスに、本郷みつるは子どもの冒険を全て詰め込んだのだ。

しんのすけは、ただの5歳児なのだ。その5歳児が、日常を飛び出して5歳児らしい冒険に出る事。劇場版のクレヨンしんちゃんとは、ただ、それを描いているだけなのだ。本郷が1作目から描いていた、そのスタンスが、見事に大輪の華を咲かせたこの「ヘンダーランド」。。。日本アニメ史、いやさ、日本映画史においても、屈指のジュブナイルである。
少しでも気になったのなら絶対見るべき。いや、見なきゃ人生損するレベルと言っても過言ではない。

本レビューの為に久々に見返したら、当該シーンで思わず涙出そうになってしまったよ・・・へへへ。






「ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者」  監督:本郷みつる





http://youtu.be/bgZ_xH2Xw-s



【ストーリー】
アクション仮面の武器、アクションソードに憧れるしんのすけ。しかし、買ってもらったアクションソードは何故かものさしに姿を変えているのであった。意気消沈するしんのすけだが、幼稚園の帰りにシロそっくりの黒い犬を拾い、クロと名付けて飼うことになった。
一方、暗黒世界ドン・クラーイの帝王アセ・ダク・ダークは人間界の支配を目論んでいたが、後一歩の所で伝説の武器を人間界に隠されてしまう。そんなダークの策略により、しんのすけは夢の世界で、人間界とドン・クラーイ世界の扉を開いてしまう。
翌日から、しんのすけの日常、又は世の中では闇の影響力が強まり、所々にひずみが生まれ、人心が荒廃していった。
そんな中、しんのすけの前にマタ・タミという少年が現れた。不思議な雰囲気の少年は、しんのすけに「金の矛の勇者」であると告げるのだった。
闇の世界としんのすけの戦いが始まる!


【レビュー】
本郷みつるの12年ぶりの監督作。魔法を基にしたファンタジーな世界観は、ヘンダーランドの変奏・・・というよりかは、セルフカバーを思わせる。
実際、敵が強力な魔王、しんのすけの日常に忍び寄る非日常の影、相棒のヒロインが魔力を封じられて夜しか出現できない、等々、ヘンダーランドと設定がかなりかぶっている。

しかし、途方もない傑作に仕上がってしまった「ヘンダーランドの冒険」と比べるのが可哀想なくらいに、「金矛の勇者」はイマイチな出来である。

行き当たりばったりな展開に、シリアス過ぎて退屈な敵キャラ、観念的でちょっと分かり辛い世界の危機。ヘンダーランドが奇跡的なバランスで成り立っていたという事が、本作を見るとよくわかる。
コレ、本当に本郷みつる監督作なの?

特にアクションシーンのテンポの悪さが目立つ。
また、「ヘンダーランド」では各シーンは有機的に繋がっており、シーンの積み重ねの上にラストのカタルシスがあったのだが、「金矛」ではただのぶつ切り映像集でしかない。アセ・ダク・ダークを野原一家が撃破するシーンのショボさなんて、目も当てられないぜ・・・!!
特に、どうしよもなかったのは、クライマックスである重要な秘密が明かされるとこ。本来ならば、この作品の核になる部分で最大のフックとなるべき所なのだが、伏線の張り方や世界観の構築が雑なので、唐突感がぬぐえない。『行き当たりばったりだなー!』と、思わず画面の前でツッコんじゃったよ。
そもそも、クレしん世界とドン・クラーイ世界の食い合わせの悪さ、違和感ったらない。全く別の二つのアニメが同じ画面に混在してる気持ち悪さ。それが90分続く。あれだけ、違和感なく日常と非日常をミックスして魅せた「ヘンダーランド」での手腕が嘘みたいだ。

所々、惜しいんだけどな。現代的なテーマをジュブナイル風に落とし込んでいるとことか、幻想的な夢の世界のビジュアルの美しさとか、重厚感のある魔王の存在感とか。。。
ただの「ヘンダーランド」のセルフカバーに堕すのを良しとしない、チャレンジャブルな精神は認めよう。バランスよくまとめていれば、第二のヘンダーランドとでも言うべき傑作に仕上がったに違いない。

いやあ〜、でもなあ〜・・・
あのCGでの飛行機空中戦シーンの圧倒的ショボさだけは、擁護しきれない・・・!!







へへへ、やっぱりすげえ長くなってしまったよ。まあ、自分は本郷クレしんが好きなのだから、熱も入ってしまうのです。次回作以降は、あまり思い入れがないので、軽〜〜〜い感じなになると思われます。ちょうど今上映中の新作
http://www.shinchan-movie.com/まで繋げていきたいと思いま〜す。



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