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  • 2014.11.04 Tuesday
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あなたに ここに いて ほしい

最近やったゲームの話。


今、PSストアで話題のダウンロード専用ゲーム「風ノ旅ビト」やった。
http://www.jp.playstation.com/scej/title/kazenotabibito/




端的に言うと、これは革命的なゲームだ。
こんなゲーム体験を今までした事がないし、これからも出来るかどうか・・・
PS3を持っている人は一度でいいからやってほしい。
ゲームとはここまで奥深く物語る装置となったのだなあ〜と、クリア後にジーンと考えさせられた。

これから、このゲームの紹介と解説をするけど、出来る事なら・・・本当にやった後に読んでほしい!!この極上の物語を体感してから本項を読んでほしいのだ!!
本当に頼むぜ!!

まあ、あまりネタバレしない様にがんばりますけどよ〜!




このゲームは、荒涼とした砂漠に一人のキャラがポツネンと立ち上がる所から始まる。
そいつは赤い布を纏った、人とも人形ともつかぬキャラクターで、広い砂漠をただ歩く事しかできない。
状況説明などが一切なく、ただプレイヤーは砂漠に一人取り残されている格好だ。我々はその不可解な不安を埋めるようにただただ歩みを進める事しか出来ない。


やがて遠くの空に、頂上が光り輝く山が見える。どうやらそこが目的地らしい。そして所々に、文明の残骸が砂に埋もれている。プレイヤーは、かつて何かがあったであろう痕跡をたぐって、目的地に向かっていく。

歩みを進めていく内に、文明の残骸から何かの力を得る事が出来る。それを使ってプレイヤーは一定時間、浮遊できる。しかし、その実、出来る事といったらそれぐらいだ。
本作は飛んだり跳ねたりする操作を強いる便宜上、アクションゲームと銘打っているが、アクションというジャンルで一番重要な他者を攻撃するといった手段がない。というか、そもそも敵という概念がない。プレイヤーはただ文明の残骸を辿って目的地の山まで旅をするだけなのだ。






これだけでも相当変わったゲームデザインと言えるが、もう一つ特徴的なのが、本作は終始一貫して説明らしい説明は何もないという事だ。というか、ゲーム内にはそもそも言葉がない。「あそこへ行け!」だの「あいつを倒せ!」だのといった、指示や命令は元から存在していないのだ。
だから、プレイヤーは一応目的地らしきものは設定されているという事は分かるのだが、この自分の操る赤い布を纏った人型の物体が、一体なぜ砂漠に一人で彷徨っていて、なぜ山を目指すのか、全く分からないまま旅を進める事になる。





これらの要素を抜き出しただけだと、単に箱庭を彷徨うだけの無目的の探索ゲームに見えるが、それは違う。
これはれっきとした物語。しかも、プレイヤーが自ら紡いでいく物語なのである。


本作をプレイすると、まず何よりこの箱庭世界の美しさに圧倒される。どこを見渡しても画面は絵画的な美しさを誇っていて目を奪われる。朽ち果てた建造物が在りし日の情景を偲ばせ、砂の一粒一粒が太陽の光を浴びて輝き、我々の心に訴えかけてくる。
プレイヤーはただただそこを観光していくだけでなく、その謎めいた砂漠や遺跡を巡っていく事で、何らかのヒントを得、この世界の核心に近づいていくことになる。(しかし、明確な説明はもちろんない)

これだけでも物語性が十分に発揮されているのだが、今作にはもう一つフックとなる要素があり、それが一層物語に深みを持たせている。それは、仲間の存在だ。
プレイヤーが旅を続けると、もう一人の赤布をまとったキャラが現れる。姿かたちも全くプレイヤーと変わらず、同種族を思わせる。
最初は案内役のNPC(ノンプレイヤーキャラ。要はプログラムだ)だと思っていた。しかし、画面内を動くそのキャラの挙動を見るとどうもおかしい。無駄な動きが多いし、プログラムの様な画一的な印象を抱かなかった。
気になってネットで調べたら、それは、他のプレイヤーだったのだ。
つまりネットを介して、他のプレイヤーとランダムにコンタクトし、一緒に旅をしていたのだ。しかも、他のネトゲと違い、言葉によるコミュニケーションは出来ない。体を光らせる信号みたいなものを出し合えるだけで、後は二人で寄り添ってお互いについていったり、離れたりするだけだ。
そういった言葉を介さない最もプリミティブな交流を交わらせ、時には互いに協力し合いながら、プレイヤーは砂漠を進んでいく。
しかし、何故彼らは共に旅をするのか。その目的も理由もやはり作中では明かされない。






こういった様々な謎かけに近いミステリアスな手法を用いて、本作は物語を重層的に展開する。プレイヤーの数だけ様々なドラマが生まれ、そのプレイヤー同士の交流で持ってそのドラマはさらに深化する。

つまり、我々はこのゲームを使って自分だけの物語を紡いでいるのだ。この何の説明らしい説明もないゲームから何かを感じとって、自分たちで補完していくのだ。こんな豊かな物語性を持ったゲームが今まであったろうか!!

本作はゲームとしては短い。約2時間もあればクリアしてしまって、ちょっと物足りないくらいだ。
しかし、これは1回クリアして終わるゲームではないからこその短さだ。
本作は何度も何度もプレイし、何度も何度もこの世界を旅する事によって、物語を深めていく事こそが、真の醍醐味なのだ。
一見分からないが、プレイする度に旅の相棒は変わる。その相棒によって新たな世界が開けたり、新たな発見があったりもする。
繰り返す事、そのものが物語を深めていくゲームシステム。
人の数だけ物語があり、それをそれぞれが体験して、交互に作用し合う。
まるで、一つの宇宙に等しい果てしなさ。


一体、自分はここまで能動的に物語を味わった事があるのだろうか?
それは分からないが、本作は確かにゲームでしか体験できない物語世界を構築し、今まで見たことない斬新な手法でそれを提示して見せた。







似たようなゲームで、PS2で出ていた「ICO」「ワンダと巨像」を思いだした人も多いのではないだろうか。上記2作は同じスタッフが手掛けていて、その独特な世界観が話題になったゲームだ。
こいつらも多くは語らない。静謐な世界を探索する事によって、背後にある物語を喚起させる作りとなっている。

しかし、「風ノ旅ビト」は本質的に違う。「ICO」「ワンダ」は物語的には多くを語らないが、両者は敵を倒すとか、城から脱出するとか、いかにもゲームらしい目的が既に設定されてしまっており、物語はある意味一方通行な面は免れない。
「風ノ旅ビト」はその目的すらもプレイヤーの想像力に任せてしまっている!山を目指すという事は何か?一緒に旅してくれるプレイヤーとは何か?
目的性すらもプレイヤーの中で秤にかけられ、物語は全方位に向かって波紋の様に広がっていく。
こんなゲームって他にある??

プレイする事こそが、物語を紡ぐ事であり、それを繰り返す事によって物語はさらに深化する。
だからこそ、「風ノ旅ビト」はゲームの革命と言っていいと思う。面白い面白くないかは別として、ゲームの新しい形をこの作品に見たのだ。



本作を製作したのは、thatgamecompanyとゆう海外のゲームスタジオだ。過去にもダウンロード専用で、「flOw」「Flowery」とゆうこれまた革新的なゲームを出している。

「Flowery」をプレイしてみたが、こちらもすごいゲームだった。
http://www.jp.playstation.com/scej/title/flowery/




ゲーム自体はシンプルで、風に乗った花弁が他の花のつぼみに触れる事によって、花を咲かせる事が出来る。ステージに散らばる花のつぼみをある程度咲かせればステージクリアだ。

風に乗る、という独特の操作感が軽快で楽しく、画面の清々しい雰囲気や流麗な音楽も相まって、とても清涼感に満ちた作品。癒し系とも言える内容だ。
しかし、こちらも背後には独特の物語性と哲学が隠されており、一筋縄ではいかない。
「風ノ旅ビト」にも驚かされたが、「Flowery」にはそれ以上に驚かされた。物語もクソもない花咲かせゲームが、最終的にダイナミックな物語を奏でてしまうのには、本当に脱帽だった。




どっちも激しくオススメ。
ゲームでしか語れない物語がある。TVゲームが生まれて30年あまり、ゲームはこんな次元にまで到達したのだ。




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